2012.07.23
なぜ板に付いてない?なぜ巻いてある?富山のかまぼこ
富山県民にとっては当り前の常識ですが、富山のかまぼこは板に付いていません!
なぜでしょう?
理由は富山の歴史と大きく関係しています。
かつて富山は北海道から大阪、薩摩へと交易を行っていた重要な海上航路の主要中継地だったのです。
貴重な交易品である昆布が北前船によって豊富にもたらされたことに由来します。
ではなぜ、昆布がかまぼこの板と関係があるのでしょうか?
実はかまぼこを製造する時にヒントがあります。
一つには、柔らかいすり身を形作る時に板に乗せてヘラ等で成型した方が作業しやすい。
二つ目は、蒸したり、焼いたりと移動する時に板に付いていた方が移動しやすい。
三つ目として、水分の調整と言われています。
ではなぜ、富山のかまぼこが板に付いてなくて、昆布でぐるぐる巻いてあるのか?
富山のかまぼこ職人たちは、板の代わりに身近に豊富にある昆布を利用したのです!
柔らかいすり身を形作る時に昆布に巻いて成型した方が作業しやすい。
蒸したり、かまぼこを移動する時にも昆布に巻いてあった方が移動しやすい。
そして、ぐるぐる巻くことにより昆布の旨味が均等にかまぼこへ行き渡る!
さらには見た目にも美しく、食が楽しくなる自然なデザインになっている。
富山ではかまぼこを作る上で、板の出番が無かったのだと思います。
かまぼこの歴史は本当に古くて、歴史で初めて登場したのが平安時代。
板付きかまぼこが登場し始めたのが安土桃山時代の頃と聞きました。
実際に日本のどの地域から発祥したのかは不明ですが、
全国に徐々に板付きかまぼこが普及して行く中で、
富山では江戸時代に栄えた北前船の影響で、昆布巻かまぼこが独自の発展を遂げたのです!
その結果、富山でかまぼこと言えば板に付いていないのが当り前!
富山でかまぼこと言えば昆布巻かまぼこ!となったのです。
富山のかまぼこ職人たちも凄いと思います。
業界の常識に疑問を持ち、独自のかまぼこ文化を作り出す。
河内屋も富山伝統の昆布巻かまぼこを作り続けて来ました!
そしてこれからも美味しくて、高品質な昆布巻かまぼこを作り続けます!