2024.12.09
かまぼこの種類と製法、特徴を紹介します
加工食品として長い歴史を持つかまぼこは種類も豊富で、蒸しかまぼこだけでなく、焼く、揚げるなど多彩なバリエーションがあります。実はちくわもかまぼこの一種ということをご存知でしょうか。
この記事では、かまぼこの種類と特徴について詳しく解説します。
かまぼこの歴史は平安時代から
日本の伝統的な食品でもあるかまぼこはその歴史を遡ってみると、起源については諸説あるものの、かまぼこについて残されている文献から少なくとも平安時代には作られていたことがわかっています。(参考:日本かまぼこ協会「かまぼこの日」)
海に囲まれた島国でもある日本は各地で取れる魚の種類も豊富で、かまぼこもまた各地域の歴史や食文化に応じて多様に親しまれ、日本の伝統食品として1000年以上継承され続けてきました。
河内屋の包装紙は蒲鉾について記された室町時代の文献「宗五大草紙(そうごおおぞうし)」のデザインです。
主なかまぼこ7種類を紹介
魚の旨味と良質なたんぱく質が凝縮されたかまぼこ。ひとくちにかまぼこと言っても加工法によって形や味わい、食感が異なります。
全国各地で風土に合わせた進化を遂げている、主なかまぼこ6種類を紹介します。
種類 | 製法 | 特徴 |
蒸かまぼこ | 蒸す | ふんわりとした食感で、富山では昆布巻かまぼことして親しまれる。贈答用や祝いの席での利用が多い。 |
焼かまぼこ (焼抜かまぼこ) |
焼く | 焼き色がつき、表面が香ばしく、しっかりした食感。伊達巻きや笹かまぼこで知られる。 |
ゆでかまぼこ | ゆでる | 弾力があり、しっかりとした食感を楽しめる。つみれやはんぺん、なるとなど、ゆで料理に使われることが多い。 |
揚げかまぼこ | 油で揚げる | すり身を油で揚げて作られ、コクと旨味が濃厚。ごぼう天やさつま揚げなど。 |
ちくわ | 焼く | 筒状で、中に空洞があり、食感が軽く特有の風味が特徴。 |
風味かまぼこ (カニカマなど) |
蒸す | 繊維状などに加工され、形状や香味からカニやホタテなどの風味が楽しめるもの。 |
細工かまぼこ | 細工して蒸す | 食紅などで合わせたすり身を絞り袋に入れ、デコレーションされたかまぼこ。鯛や鶴、松竹梅などに形取られ、冠婚葬祭で広く親しまれる。 |
料理に合わせて楽しまれるかまぼこ
かまぼこのイメージとしては「蒸かまぼこ」や「焼かまぼこ」が多いと思いますが、おでんや煮物など、料理の素材として親しまれている「つみれ」や「はんぺん」そして「なると」など、かまぼこは高い栄養素を持ちながら様々なバリエーションを持つ食品のひとつです。
蒸かまぼこ(板かまぼこ・巻かまぼこ)
蒸かまぼこは、魚のすり身を板や型に入れて成型し蒸し上げたものです。
一般的に「板かまぼこ」や「巻かまぼこ」と呼ばれる種類がこれに該当します。
特徴としては、しなやかでもちもちとした弾力のある食感と魚本来の風味が楽しめる点です。蒸すことで素材の旨味を閉じ込めており、そのまま食べても美味しくいただけます。
富山県では「板」を使わずに「こんぶ」を使った昆布巻きのかまぼこ「巻かまぼこ」が一般的です。
富山では板がない「昆布巻かまぼこ」が一般的
富山の昆布巻かまぼこは、古くから交易のあった北前船(北海道)の昆布を使い、かまぼこ成型に利用したのが始まりと言われています。
味はもちろん、見た目の珍しさからも富山のお土産としてとても人気があります。板かまぼことの違いとしては、こんぶのだしと香りによって繊細かつ上品な味わいになっています。
河内屋ではシーンや贈る相手に応じて選べるよう、太巻と小巻をご用意しています。
私のおすすめの蒸しかまぼこは「小巻かまぼこ 昆布巻」です!
北海道で取れる最上級の真昆布(まこんぶ)を使った昆布巻は食感も良く甘味もあり、幅広い世代の方に人気があります。
小巻かまぼこ 昆布巻 | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
蒸しかまぼこにはこんな種類も
蒸しかまぼこには、蒸してからさらに焼くことで香りや食感を出したものもあり、河内屋の人気商品「棒S」もその一種です。蒸しかまぼこの食感を活かしながら、すり身の香ばしい風味が口に広がるのが特徴です。
スティックかまぼこ「棒S」の元祖スティックチーズ
私のおすすめはやっぱり「棒S 元祖スティックチーズ」です!大人はもちろん、お子様へのちょっと贅沢なおやつとしてもおすすめ。
洗練されたパッケージなのでちょっとしたパーティーの彩りやカジュアルギフトとしてもおすすめです。
棒S(ボウズ)シリーズ | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
少し変わった商品としておすすめなのが「カリー蒲鉾」のほうれん草です!
コクのあるカレーとヘルシーなほうれん草がベストマッチで、さらにチーズがアクセントになっていて私も大好きな商品の一つです。
カリー蒲鉾 ほうれん草 | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
焼かまぼことは
笹かまは仙台藩主の伊達政宗の家紋「竹に雀」の笹が由来と言われています
焼かまぼこは蒸し焼きかまぼことも呼ばれ、すり身を焼いてから蒸す製法で作られる種類です。外側が香ばしく焼き上がり、内側はしっとりとした食感で歯切れが良いのも特徴です。
素材の風味も強く感じることができ、全国的にも幅広く採用されている製法のひとつで、仙台名物としても知られる「笹かまぼこ」が焼きかまぼこの一種です。
ゆでかまぼことは
つみれやなると、はんぺんなど麺料理や煮込み料理に使われるのが「ゆでかまぼこ」です。
おでんや汁物に欠かせない「つみれ」は、すり身を摘み取りながらお湯に入れてゆでるので「つみ入れ」が語源だそう。
ちなみに鶏肉でも作られる「つくね」は「捏ねる(つくねる)」が語源で「手でこねて形を作る」という意味があり、鶏肉のミンチと調味料を手で混ぜて成型することから、丸いだけではなく、串に差して調理されたりするそうです。
つみれ汁
揚げかまぼこの種類
揚げかまぼこは、油で揚げて作られるかまぼこの種類です。全国的にはさつま揚げやすり身揚げ、ごぼう天などが代表的な揚げかまぼこの商品です。
揚げて作られることから煮崩れがしないため煮物や汁物にもよく利用され、うどんやおでん等でも見かけるかまぼこの種類です。
揚げる工程の前に蒸す工程が入る場合もありますが、揚げることで香りを出し、また色身も強くすることで見た目の美味しさも引き立てています。
河内屋の揚げかまぼこは期間限定の商品「河内屋揚げ」です。
河内屋揚げ | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
ひとつひとつ、職人による手造りの河内屋揚げはもちもちとした食感とプリっとした食感が味わえる生揚げかまぼこで、ぷれーん、いかげそ、やさい、紅しょうがの4つの味が楽しめます。サイズも食べやすい手のひらサイズなので、ちょっとした手土産にもおすすめです。
この河内屋揚げはいつも出来立てをお届けしており、お手元に届いてからの賞味期限は約3日間!出来立てのぷりぷり&もちもち感をそのままお召し上がりいただけます。
ちくわの種類
ちくわもかまぼこの一種で、筒状に成形されます。河内屋ではちくわのお取り扱いはありませんが、一般的なちくわの種類としては以下のような種類があります。
- 焼きちくわ
一般的なちくわで、竹や金属の棒にすり身を巻き付けて焼いたもの。
- 蒸しちくわ
焼かずに蒸して作ったちくわ。柔らかい食感が特徴。
- 揚げちくわ
ちくわを油で揚げたもの。おでんや煮物に最適。
切り口が竹を切った形に似ていることからちくわ(竹輪)と呼ばれる
風味かまぼことは
風味かまぼこの代表「カニカマ」は海外の消費量が日本を上回るほど、世界中で人気のあるかまぼこです。
特にヨーロッパやアメリカでは「SURIMI」がカニカマの商品名になっていたり、味や品質のクオリティはもちろん、健康志向の高さや調理のしやすさからも多くの外国人を虜にしているそうです。
海外では1kgなど大袋で販売されているものもあるそう
富山の伝統食品「細工かまぼこ」とは
富山県の代表的なかまぼこといえば「細工かまぼこ」も外せません。
冠婚葬祭の贈り物として富山県民には身近な存在でもあり、ハレの日や記念日、お祝いなど節目節目で広く県民に重宝されてきました。
古くから富山県ではお祝いの席に呼ばれた人が引出物をご近所に配る「おすそ分け文化」があり、切り分けても華やかな細工かまぼこが引出物として定着。そして、お祝いといえば「細工かまぼこ」を贈る風習が現在も残っています。
鯛や亀、鶴などを形どった意匠が特徴の細工かまぼこ
細工かまぼこで私のおすすめは「手まり蒲穂子」と「プティ・キャレ」です!
職人によってひとつひとつ丁寧にそして繊細な細工で彩られたかまぼこは、お祝い事にもピッタリ。細工かまぼことしては小ぶりなので、富山のお土産としてもとってもおすすめです。
手まり蒲穂子3個入り(ろ) | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
プティ・キャレ マリアージュ白3(3個入) | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
オリジナルのオーダーメイドかまぼこも人気です
オーダーメイド蒲鉾 | 【公式】河内屋オンラインショップ・富山のかまぼこ老舗専門店 (kamaboko.co.jp)
種類ごとの違いを知って、かまぼこをもっと楽しみましょう
かまぼこは、その種類や製法によって味わいや食感が大きく異なります。
蒸かまぼこのふんわりとした食感や、揚げかまぼこの香ばしさやコクなど、それぞれの特徴を知ることで、贈る相手や好みにあわせて選ぶことができるのも楽しみの一つです。
また、かまぼこは地域ごとの種類も多く、河内屋のかまぼこを一通り楽しんだあとは、旅行先でその土地ならではのかまぼこを楽しむのも一興です。ぜひ、さまざまな種類のかまぼこを試してみてくださいね。