河内屋社長ブログ蒲鉾丹右衛門の徒然なるままに…

2012.06.03

閖上で徒然なるままに…

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名取市閖上地区にバスが入って行くと、一面が津波に呑み込まれた地域で、異常な平野が続いています。そんな何もない海沿いに1か所だけ痛ましい姿のまま残されているのが佐々直さんの閖上本店工場。正確に言うと閖上本店工場であったところです。
あまりにも凄い光景・・・しかも同業の蒲鉾屋さんの姿とあって言葉を失いました。佐々直さんから現場で、当時の津波に襲われた状況を詳しく説明して頂きましたが、今はこうやって淡々と当時の事を話せる精神力というか、当時の恐怖、絶望、苦悩の日々を乗り越えて来た強い気持ち、精神力というものを肌で感じました。この壊滅的、絶望的な環境の中から立ち上げた新たな工場・・・それが名取市内にある佐々直新工場です。ちなみに写真撮影の許可は得ています。
工場見学をさせて頂いて、まず感じた事がよくぞここまで立ち上げたという事です。この場所は借地だそうですが、土地を探すのにも相当な時間と労力を取られてしまったようです。そしてさらに機械が全て新品で新しいという事です。建屋も機械も全て新品で蒲鉾を作っている工場を見た事がないので、そういう点でもビックリしました。もちろん投資の一部は助成金や義捐金でカバーしている訳ですが、手持ち資金もかなり出す事になるので、佐々直さんはよくぞ決断した・・・と思います。
現場では新品のピカピカの笹かま製造ラインが動いていました。これを見ると笹かまや竹輪というのは機械化がかなり進んだ製品である事が分かります。それにしても本当によくここまで復活したと思います。話を聞いているとハード面は日を追うごとに確実に立ち直って行っていますが、思うように進まないのがソフト面だそうです。つまり失った売上、離れてしまった顧客をいかに取り戻すか、いかに新たなファンを作っていくかという事です。まだまだ大変な事が続くと思いますが、佐々直さんの完全復活を待っています!佐々直さん、色々と対応して頂き、本当にありがとうございました!