2013.11.08
弟が弁理士試験を突破!
東京特許許可局・・・という早口言葉を知っている人は多いですが、弁理士という特殊な職業がある事は、割と知られていません。弁理士(べんりし)と言うと便利屋さんですか?と真顔で聞く人も結構いますね。弁理士とは産業財産権に関わるすべての事務手続を代理することができる国家資格を有している人の事なのですが、分かりやすく言うと何か新しくこの世にないものを発明した場合、「特許権」、「実用新案権」、「意匠権」、「商標権」などの権利が出て来ます。そしてそれを権利化するのに、法律や専門知識を駆使して内容を精査したり調査したり、特許庁への出願手続を代理にしてくれるのが弁理士です。産業財産権に関わる争い事には、弁護士と共同で代理人として訴訟をすることもあります。街を歩いていて特許事務所という看板があれば、そこには必ず弁理士がいます。
そんな弁理士という職業に就くには国家試験に合格しなければならないのですが、この国家試験が文系の弁護士、理系の弁理士と言われる程、非常に難関なのです。もちろんこういう資格、大学在学中に取得してしまう人や、1回の受験で取得してしまう優秀な人がいる一方で、何度もチャレンジして合格しない人や、社会人になってから弁理士を目指し合格する人など、本当に人生いろいろです。弟は45歳で合格という事なので、ちょっと遅い桜咲くの感はありますが、スタートも遅かったのでこのタイミングで難関試験を突破できたのは本人の努力の賜物だと思います。
しかし彼は、他の若い合格者たちと違うのは特許業務に関して熟練者という強みです。すでに特許事務所での業務が非常に長くて、あとは資格だけという状態でしたので、今後正式に弁理士になった後には、さらなる活躍をしてくれる事を期待したいです。
富山でもあまり自分の実家の事を話した事はありませんが、弟が勤める特許事務所というのは1901年(明治34年)に創業した歴史ある特許事務所です。もしかすると日本で一番古い国際特許事務所?かもしれません。化学、医薬、農薬、金属、無機材料、有機材料、機械、電気、電子、応用物理、制御、コンピュータソフトウェア、食品、内外国特許・商標(含サービス・マーク)・意匠・実用新案、調査、訴訟、鑑定、ライセンシングなどの分野にわたり、国内出願、翻訳、外国出願に至るまで対応している事務所です。1980年から僕の祖父が5代目所長として引き継ぎました。もともと祖父は通産省(今の経済産業省)の特許庁出身者で、当時スカウトされ事務所を引き継ぎました。祖父は5か国語の読み書き、翻訳も出来たので、僕のイメージは遊びに行ってもいつも書斎にこもって仕事をしているという記憶が多いです。
弟はその国際特許事務所で祖父と働いて来ました。弟はさすがに5か国語は無理ですが、知的財産翻訳1級(英語)の資格を持っていて、国際系もバリバリやっています。特許事務所の世界も生き残っていくのが大変ですが、お互いに切磋琢磨して頑張って行きたいものです。
とにかく今回は合格の報告が本当に嬉しかった。一番それを望んでいた祖父も父もこの世にいないのが残念なんだけど、きっと喜んでいる事でしょう。